カリフォルニアの大学病院にあるICUで看護師をして7年目。 ICUの中で起こる日々のドラマ。 アメリカの命の現場から生の声をお届け! アメリカ医療の裏側やナースの日常を覗いてみませんか? まずは「ハイライト」内の記事からチェック!!
今朝、寝覚めにふとベッドの中で思った疑問。
よく
「先のことは分からない」
とか、
「まだ先の見通しが立っていない」
とか言いますよね。
で、この場合の先って明らかに、
未来
のことですよね?
でも、
今週の前の週は、
先週
そして、この間ことは、
先日
って言いますよね。。。
これって、明らかに、
過去
のことじゃない?
私の愛用しているコトバンクによると、先の解説が
① 空間的にいちばん前の方。(先端)
② 時間的に早い方。ある時点より前。(先客、先日)
③ 今の一つ前。(先週)
となっています。
「先の見通し」とかいう場合の先は①、「先日」は②、「先週」は③だよね。
納得いくような、納得いかないような。。。
先を未来と過去という全く正反対の次元のこと両方に使うって不思議!
って思っちゃうの、私だけ???
ナースとは全然関係ないけど、ちょっとブログでつぶやいてみました。。。
すみません、くだらないことで。。。
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今日は80代のとってもキュートなお婆ちゃんが患者さん。
食道と胃の境目の部分がすごく狭くなっちゃった患者さん。
そのせいで、食べ物が胃までなかなか降りて行かず食道に食べ物がガッポリ詰まっちゃってるみたい。
それはともかくとして、一応ほかの持病のお薬を今日あげたりしてたんだけど。。。
??!!
なんか呼吸の仕方がいきなり変わってないかい?!
肩もお腹も使って苦しそうに呼吸してる!
酸素飽和度80台半ば。。。 (通常95%以上)
おかしい。。。
とりあえず、喉の奥に溜まった痰やらなにかを吸引。
酸素飽和度もあがり、しばらくこれでOK~!
・・・かと思いきや!
あら??!!
80台前半にダウン。。。?
鼻カニュラの吸入酸素量UPしとこ!
u-shizuoka-ken.ac.jpより
それでもどんどん急降下~ ↓↓↓↓↓
きゃ~!!70台!!!!!
酸素蘇生バッグで人工呼吸開始!
cs-labo.jpさんより写真拝借
近くにいたナースに叫んで助けを求め、ドクターと呼吸療法士を呼んでもらう。
患者さんの顔がみるみるうちに真っ青になっていく!
でも、とりあえず意識は正常。
それでもまだまだ急降下~~~↓↓↓↓↓
60台!!!
これ本格的にヤバい!
人工呼吸続行してるのに、なかなか酸素飽和度上がっていかない。。。
そうこうしてるうちに、脈拍数も激減し
脈拍45!!!!!
ひぃえ~~~!!!!!
これはコード・ブルー、発令せねば!!!
・・・・・と思ってた矢先、少しずつ脈拍も酸素飽和度も回復。
ほっ。
あ、ちなみにこれ、全部でほんの5分くらいのエピソード。
でも、実際に現場にいると、この数分が長~く感じるんです。
酸素飽和度が通常値に戻ったので、酸素バッグからマスクに変えようとして・・・
ん???!!!
なんか、口の中変じゃない???
「ちょっとお口見せてね~」って、口の中覗くと・・・
ギョっ!!!!!
何じゃこりゃ!!
「ちょ、ちょっと舌出してくれますか~」
で、出てきたのが見たこともないくらいずごい
巨大に膨れ上がったベロ
ぎゃ~~~!!!
び、びっくりしている場合じゃない。
とりあえず、気道確保の器具口に入れておこう。
犯人はこれか~!
この腫れ上がったベロのせいで気道が塞がって息ができなくなっちゃったのね。
かわいそうに。。。
それにしても、アレルギーかなぁ。。。
ん~・・・ でも体に湿疹とかも出てないし。。。
で、ドクターやっと登場。
診察した結果、やっぱりアレルギーであろう、ってことに。
とりあえずアレルギーショックの薬をいくつか注射。
おそらく朝飲んだ血圧のお薬が原因の可能性高し。
ふぅ~。。。
なんとか今日はコード・ブルーも気管挿管もしないで済んだよ。。。
コード・ブルーとは?
↑ コード・ブルー
大事に至らなくてほんと良かったね、お婆ちゃん☆
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先日も、私が感謝祭の休日2日連続でお世話した患者さんを受け持ちました。
★その時の記事参照
愛する人を目の前に・・・ 葛藤、恐怖。
胸の中がとんでもないことに!(写真説明付き)
この患者さんをまた受け持った日、ふと自分に問いかけた疑問。
痛みのない世界か、愛する人達のいない世界か。。。
どっちをとる?
この患者さん、フェンタニルという麻酔薬としても使われる鎮痛剤の点滴を投与され続けているので、意識がとても朦朧としていて、誰かが声をかけたり触ったりしなければ、ずっと寝ている状態。
呼吸器、持続的人工透析機、胸腔ドレーンチューブ、点滴装置などなど、数々のマシンの音だけが病室で唸りをあげてる。
肺・肝臓・腎臓などの多臓器不全で予後不良。
あとは苦しみに耐えながら死を待つだけ・・・
でも、治療は辞めたくない。
という意志を持った患者さん。
繋がれたたくさんの機械が幅狭しと敷き詰められた部屋の中、腹水で膨れたお腹以外は骨と皮だけになった小さな体で一生懸命生きようともがいている。
この患者さん、骨と皮とは文字通りで、お尻の脂肪も無いため、2ヶ月くらい前からお尻に床ずれが出来てる状態。
2時間毎に体を寝返りさせて常にお尻を浮かせる状態を保ってあげたり、
クリームや特殊な床ずれカバーをつけたり、
床ずれ患者ようの特殊ベッドに寝かせたり、
最大限の努力を施してきた。
でも、病気は床ずれなど気にせずどんどん進行し、体が弱っていく。
肝不全もあって、点滴で栄養剤を投与してどう頑張っても常に栄養失調。
床ずれでも何でもそうだけど、傷を治すのには栄養補給が不可欠。
でもなかなか床ずれを治すまでの体力も栄養補給も難しい状態。
そして、この床ずれ、2ヶ月経過した今は IV度 の一番酷い状態。
(床ずれの進行度による分類 by Wiki)
皮膚から筋肉、骨にまで貫通して、お尻の骨が見えている状態。
見える部分の直径は12cm くらい。
でもトンネル状になって見えない部分の深さは測り知れず。
血が滴り、死んだ皮膚組織がドロンとスライム状にぶら下がっている状態。
直接痛み感じることは出来ないけど、想像しただけでも痛みは相当なはず。
痛い思いをして欲しくないので、フェンタニルの量を様子を見ながら調節。
で、夕方になってその日最初のお見舞い客、お姉さん登場。
少しすると、お姉さんが涙を垂らしながら、私を呼んだ。
「すごく痛そうな顔してるの。。。 ずっと顔をしかめてる。。。 痛み止めの量を多くしてください。」
それまで、ずっとスヤスヤと寝ていた患者さん、お姉さんが来て話しかけたので目が覚めたんでしょうね。
目が覚めると常に顔をしかめて痛そうな表情をし始めるので、お姉さんがそれを見て耐えられなくなったのでしょう。
かなりの量のフェンタニルを既に投与していたけど、患者さんが痛そうな表情をしている以上、危険じゃない程度に量を増やす。
量を増やす前に、お姉さんに一応確認。
「フェンタニルの量を増やすと、また眠り始めてお話出来ない状態になってしまいますけど、それでもいいですよね。」
この発言は、お姉さんの許可をとるというよりも、予測される事態を理解してもらうのが目的。
お姉さんももちろん、「彼女の痛みが無くなった方がいい」って一言。
フェンタニルの量を増やして少しすると、この患者さんまた眠った状態になった。
そして、私はふと思った。
もし自分がこの患者さんだったら、
少し痛みを我慢してでも、家族や愛する人達に手を握られて話しかけられていたい?
それとも、
愛する人達の存在が見えなくても、痛みのない安らかな状態でいたい?
どっちなのかなぁ。。。 痛みのレベルにもよると思うけど。。。
死ぬまでの短い間、一人ぼっちで淋しい思いをするのはイヤだなぁ。。。
たとえ体がどんなに悪くても、心は満たされていたいかなぁ。。。
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