昨日の患者さんは
嚢胞性線維症(のうほうせいせんいしょう)の
20代女子大生。
嚢胞性線維症は日本人には非常に稀ですが、アメリカでは、白人を死に至らしめる最も多い遺伝性疾患です。
白人乳児約3300人に1人の割合で発症するそうです。
(メルクマニュアル医学百科より)
遺伝性疾患。
この患者さん、実は双子。(確か一卵性双生児だったと思います)
その双子姉妹のもう一人のほうも、もちろん同じ病気を抱えています。
でも、病気が発症してICU入院を強いられているのはこの患者さんだけ。
今のところもう一人は発症せず、双子の片割れは健康らしいです。
それって正直、どんな気持ちになるのかなぁ。。。
この患者さん、去年肺の臓器移植を受けました。
今年になって病状が悪化して、今は気管切開を経て呼吸器にずっと繋がれて手足もろくに動かせないほど弱った状態。
移植した肺が拒絶反応を起こして悪くなった可能性もあるので生体検査をしたりと、移植手術の大きな傷跡に加え、体には新しい傷がいっぱい。
まだ20代の女の子、病気も嫌だけど、やっぱり傷も気になるよね。
本当なら今頃、恋愛とかオシャレとかいっぱいして、華のキャンパスライフを楽しんでいるはずだったよね。
彼女の病室には、自分の大学のバスケットボール選手からのサイン入&メッセージ付きポスターが飾られています。
大のスポーツファンの彼女は、思いっきり黄色い声をあげながら、スタジアムで生でスポーツ観戦していたいんだろうなぁ。
双子の片割れ(以下妹とします)はきっと、今頃自分の人生を謳歌してる。
どんな気持ちなんだろう。。。
「なんで妹じゃなくて私?」って思う?
それとも、「愛する妹の方じゃなくて良かった」って思う?
妹は妹できっと、とっても複雑な気持ちなんだろうなぁ。。。
「私じゃなくて良かった」ってのが正直な意見?
やっぱり「私だけ健康でなんだか申し訳ない」と罪悪感に思う?
それとも「私にはいつ同じ状態が待ち受けているんだろう」と恐怖と不安に思う?
今は両極端の状態にある双子姉妹、
お互いにどんな心持ちで毎日を過ごしているんだろう。。。
そして、同じ病気の双子姉妹を生んだ
両親はどんな気持ちでいるのかなぁ。。。
やるせない気持ちだよね、きっと。。。
そんな風にふと、心理状況を模索してしまったけど、
この患者さんが、
弱ってる中一度だけ見せてくれたとっても可愛い笑顔はそんな私の邪念を一気に吹き飛ばしてくれるほど素敵な笑顔でした。
その瞬間、何としてでもこの子を華のキャンパスライフに戻してあげたい、とまたエネルギーが湧いてきた☆
輝かしい笑顔、一生懸命見せてくれてありがとね。
→ ランキングに戻る
これを読んで複雑な気持ちになった方、↓下のランキングバナーをクリック![7回]
PR
この記事へのコメント
こんにちは。
双子で片方の子だけなんですか・・・
しかもまだ20代で・・・
呼んでて涙腺がウルウルと来ちゃいました。
双子の姉妹、そして両親の気持ちを考えると、ホント複雑な気持ちだと思います。
Re:こんにちは。
そうなんです。 片方だけってなんだか酷ですよね。。。
もちろん、両方のほうがもっと悲しいですけど。
この元気な方の子も、同じ病気を抱えてるのでいつか発症してこの患者さんと同じ道を辿る可能性も十分あるんです。
両親もそれを分かってるだろうし、本当に代わってあげたいけど代わってあげられないもどかしさとかもあるんじゃないかなぁ。。。
ほんと複雑です。。。
こんな風にいろいろ悲しい場面を見ることが多いので、ヒロシオさんのような楽しいブログを読んで、笑わせてもらってまーす!!