カリフォルニアの大学病院にあるICUで看護師をして7年目。 ICUの中で起こる日々のドラマ。 アメリカの命の現場から生の声をお届け! アメリカ医療の裏側やナースの日常を覗いてみませんか? まずは「ハイライト」内の記事からチェック!!
ブログを始めて1ヶ月半経ちました~!
現場の話題が今まで多かったですが、そろそろアメリカナースの核心をついていきますね!
これからアメリカに留学・就職を目指している方にとって一番気になる話題はやっぱり
ビザ・アメリカ永住権取得
の問題ですよね。
「ナースだと簡単にグリーンカードが取れる!」
という話を聞いたことがある方も少なくないのではないでしょうか。
ところが、これは今となってはもはや、
過去の神話
に過ぎません。。。
神話崩壊には数々の理由があります。
確かに、ナースであれば簡単にグリーンカードが取れた時代がありました。
それは、深刻な看護師不足のため、永住権のナース専用枠があり、ナースは一時期かなり優先され1年未満でグリーンカードを取得できた頃があったからです。
しかし、2006年にそのナース枠が定員に達したとかで廃止されてしまいました。
となると、どうなるか・・・
それまでナース枠で申請中だったナースも他の職業の人と同じ一般枠に流れ、
新規の申請者も一般枠として応募ということに。
と、いうことは・・・?
普通の職業の人達と同じように、4、5年以上掛かる訳です。
じゃあ、その4、5年の待つ間、それを見据えて病院がスポンサーを続けてくれるか・・・
というと、それも厳しい状況です。
その厳しさに大きく貢献している要素が・・・
この不況で、グリーンカードはもとより、ビザさえもサポートしてくれない病院が今ではほとんどです。
更に更に・・・
外国人看護師を苦しい状況に追い込む、もう1つの大きな変化。
それは、
お待たせしました!
それでは、、 『簡単医学英語、痛みを英語で表現する』
シリーズ最終回いきましょう~!
7つの痛みのタイプ、もう覚えましたか?
でしたね。
もう一度復習したい方は、過去記事をレビューしてください。
第1回:Ache と Sharp pain
第2回:Cramp と Throbbing pain
それでは、最後の3つ、Pressure pain、Burning pain、Tender を説明します。
⑤ Pressure pain
Pressure は、日本語で「圧力」のこと。
なので、「押されて痛い」感覚や「絞めつけられるような痛み」のことを指します。
一番怖いものでは、狭心症や心筋梗塞などの心疾患でよく表現される、
「胸がギューッと締め付けられるような痛み」があります。
身近なところでは、風邪などの症状にも見られる、副鼻腔関連の痛み。
風邪で眉間の辺りや鼻の脇の方ががギュっと詰まった感じになることってありますよね。
その他に、一番身近なものでは、肩こりなんかも Pressure pain に属するのかもしれません。
⑥ Burning pain
Burn は日本語で「燃える」とか「焼く」ですね。
なので、そのまま、燃えるような、焼けるような痛みです。
といっても、あまりピンと来ないかな。。。
読んで字のごとく、日焼けによる痛みや、やけどによる痛みがそうですね。
日本語で言ったら「ひりひりと痛い」感じが一番ピッタリくる表現でしょうか。
「傷口に塩を塗る」的な痛みもこの類ですね。
そのほか、「Heartburn」(胸焼け)のようにムカムカ来る時もこの表現を使ったりします。
⑦ Tender
最後のこの Tender はちょっと難しいです。
もちろんプレスリーの『Love Me Tender』の場合のTenderとは違います。(笑)
和訳はいろいろあり、「優しい」とか「穏やか」とかいう意味が一般的ですね。
でも、痛みのときの Tender は、神経過敏な状態のことを言います。
日本語では「ピリピリする」とでも表現したらいいのかなぁ。。。
一番分かり易い例を挙げるとすれば、打ち身のアザなどを考えてみてください。
触れると痛いですよね。
後は、例えば歯茎が腫れてたりして痛い時も Tender を使います。
とにかく、外的要因の痛みよりも、中が腫れていて、それに触れると痛いといった感覚の痛みのことを指します。
なので、触れたり動かしたりさえしなければ痛みがなかったりもします。
今日はちょっと変わったお話。
私の患者さんじゃないけれど、今日ウチのICUに
脳死状態
の患者さんがいました。
家族の意向か本人の意向か、この患者さん、臓器提供をすることになっています。
私の担当患者さんじゃないので、詳しい話はよく分からないけど。。。
で、脳死の患者さんか家族がもし生前に臓器提供をする意志を示していると、
One Legacy という非営利団体が病院にやってきます。
脳死じゃなくても、安楽死の様な形で亡くなる患者さんの所にも One Legacy が来ます。
実際、ほとんどの患者さんは臓器提供の意志を示していないし、たとえ示していたとしても、
ウチのICUでは多臓器不全や癌、敗血症の患者さんたちが多いので、
臓器提供が出来ないケースがほとんどなので、ここでの臓器提供は稀なケース。
そして、この One Legacy の代表者として来るのが、看護師数名。
この人達は何をしに来るかというと、基本的には情報集めや記録、書類の整理などなど。
で、患者さんが亡くなると同時に、臓器摘出術に素早く患者さんを運ばなくてはならないのですが、そのコーディネートとかもこの看護師達の仕事に含まれているようです。
臓器の新鮮さを保つために、一刻も早く臓器摘出の手術をしなくてはならないので、患者さんが亡くなるとかなりバタバタと慌ただしくなるそうです。
(臓器提供は稀なケースなので私もまだその場面を見たことありませんが。。。)
というわけで、この看護師達は、患者さんが心肺停止になって亡くなる何時間も前からずっと情報集めしながら待機するわけです。
そう、待機。
この看護師達は待ってるものは何?
患者さんの死
ですよね。。。 極論といえば、極論になるのかもしれないけど。。。
極端な言い方をすると、
患者の死を待つ看護師
ということになる訳です。
私は彼らの存在も仕事ぶりも、否定するつもりなんて全く有りません。
彼らがいるからこそ、臓器移植の恩恵を受け生き長らえる患者さんが大勢いるのですから。
ただ・・・
私にはとても出来ない仕事だなぁ・・・・・と。
このブログを読んでくださってる方達には既にご理解いただいてると思いますが、
患者さん病気から救おうと、日々必至で奮闘しているわたくしであります。
なので、患者さんの死を待つ仕事、患者さんが死体になってからの仕事・・・
あまりに想像がつかないのです。。。
想像がつかな過ぎて、正直いろいろな疑問が生まれていまいます。
仕事の条件は良いって前に聞いたことあります。
基本的に当直型のシフト制で、別に寝ててもいいとか。。。
とにかく、呼ばれてすぐ飛んでいければよいそうです。
もちろん患者さんが亡くなったりしなければ、実際の仕事をせずにお給料が貰えるわけです。
完全なる不労所得とまではいかないかもしれませんが。。。
「いい仕事だよ~」と前にこの One Legacy の看護師に勧誘されましたが、
いくらお金が多くたって、楽だって、私には
絶対無理~!!!
改めて言いますが、この人達のことを否定してるわけじゃありません。
看護師の価値観もいろいろあるんだなぁ~・・・って。
まぁ、これもある意味では、新しい発見になるのかなぁ。。。
微妙~。。。
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