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Angel Blue ~アメリカICUナースのブログ~

カリフォルニアの大学病院にあるICUで看護師をして7年目。 ICUの中で起こる日々のドラマ。 アメリカの命の現場から生の声をお届け! アメリカ医療の裏側やナースの日常を覗いてみませんか? まずは「ハイライト」内の記事からチェック!!

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今日はちょっと変わったお話。



私の患者さんじゃないけれど、今日ウチのICUに

脳死状態

の患者さんがいました。


家族の意向か本人の意向か、この患者さん、臓器提供をすることになっています。

私の担当患者さんじゃないので、詳しい話はよく分からないけど。。。




で、脳死の患者さんか家族がもし生前に臓器提供をする意志を示していると、

One Legacy という非営利団体が病院にやってきます。

脳死じゃなくても、安楽死の様な形で亡くなる患者さんの所にも One Legacy が来ます。



実際、ほとんどの患者さんは臓器提供の意志を示していないし、たとえ示していたとしても、

ウチのICUでは多臓器不全敗血症の患者さんたちが多いので、

臓器提供が出来ないケースがほとんどなので、ここでの臓器提供はなケース。



そして、この One Legacy の代表者として来るのが、看護師数名。

この人達は何をしに来るかというと、基本的には情報集めや記録、書類の整理などなど。


で、患者さんが亡くなると同時に、臓器摘出術に素早く患者さんを運ばなくてはならないのですが、そのコーディネートとかもこの看護師達の仕事に含まれているようです。


臓器の新鮮さを保つために、一刻も早く臓器摘出の手術をしなくてはならないので、患者さんが亡くなるとかなりバタバタと慌ただしくなるそうです。
(臓器提供は稀なケースなので私もまだその場面を見たことありませんが。。。)


というわけで、この看護師達は、患者さんが心肺停止になって亡くなる何時間も前からずっと情報集めしながら待機するわけです。



そう、待機。


この看護師達は待ってるものは何?





患者さんの死



ですよね。。。 極論といえば、極論になるのかもしれないけど。。。



極端な言い方をすると、


患者の死を待つ看護師


ということになる訳です。



私は彼らの存在も仕事ぶりも、否定するつもりなんて全く有りません。

彼らがいるからこそ、臓器移植の恩恵を受け生き長らえる患者さんが大勢いるのですから。




ただ・・・


私にはとても出来ない仕事だなぁ・・・・・と。



このブログを読んでくださってる方達には既にご理解いただいてると思いますが、

患者さん病気から救おうと、日々必至で奮闘しているわたくしであります。



なので、患者さんの死を待つ仕事、患者さんが死体になってからの仕事・・・

あまりに想像がつかないのです。。。



想像がつかな過ぎて、正直いろいろな疑問が生まれていまいます。
 

  • 一番最初に看護師なろうとしたきっかけは?
     
  • いわゆる普通の一般的な看護師として、何年ぐらい働いたの?
     
  • 何がきっかけや転機で、今の特殊な仕事に転職しようと思ったの?
     
  • 死を相手にする今の仕事に対して、心の葛藤や傷は生まれないの?
     
  • 今の仕事でやり甲斐を見いだせる時ってどんな時?



仕事の条件は良いって前に聞いたことあります。

基本的に当直型のシフト制で、別に寝ててもいいとか。。。

とにかく、呼ばれてすぐ飛んでいければよいそうです。

もちろん患者さんが亡くなったりしなければ、実際の仕事をせずにお給料が貰えるわけです。

完全なる不労所得とまではいかないかもしれませんが。。。


「いい仕事だよ~」
と前にこの One Legacy の看護師に勧誘されましたが、

いくらお金が多くたって、楽だって、私には


絶対無理~!!!



改めて言いますが、この人達のことを否定してるわけじゃありません。

看護師の価値観もいろいろあるんだなぁ~・・・って。

まぁ、これもある意味では、新しい発見になるのかなぁ。。。


微妙~。。。

 
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はじめまして。

はじめまして。
実は同じ医療系でAngelさんのblogがちょっと前から気になってました。

ぼくも病理医目指してますので、亡くなった後の患者さんと接することが圧倒的に多いです。
医師になって最初はやはり違和感アリアリでしたが、今は遺族の疑問などに少しでも答え、できるだけ安らかな気持ちで患者さんを送り出せるように、また今後同じような患者さん達の治療に少しでも貢献できるようにと思い、日々病理解剖に取り組んでます。

病理医と少々立場は違いますが、確かにOne Legacyの看護師さん達の価値観って聞いてみたいかも!

Re:はじめまして。

NP王子さん、コメント&ご訪問ありがとうございます。

確かに病理医も特殊な分野で、亡くなった後の患者さんを相手にすることが多いですよね。 私も日本に居たときに病理解剖に立会いましたが、その時かぎりの印象で言わせてもらうと、患者さんのご遺体をとても大切に扱っていた印象があります。

多分、患者さんの家族はドクター以上に違和感アリアリなんだと思います。 その違和感を理解した上で、説明や質問に対応するドクターの態度次第で、家族の心情も大きく変わってくるんだと思います。 それにちゃんと気づいて誠意をもって家族と向き合ってるNP王子さんのようなドクターが病理医してらっしゃると知って、安心しました。

病理医は、1人のご遺体となってしまった患者さんから、何千、何万人の患者さんを救うというポテンシャルを秘めた、素晴らしい職業だと思います。
頑張ってください!応援しています!

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プロフィール

名前
Angel
職業:
看護師 Registered Nurse
趣味:
ゴルフ ピアノ 食べ歩き
自己紹介:
1978年、早生まれ
埼玉県出身
カリフォルニア在住
アメリカ暦9年

日本の大学卒業後、医学研究職2年。

その後アメリカの大学へ留学。看護学部を卒業しBSN(Bachelor of Science in Nursing)取得を経て、RN(Registered Nurse)免許取得。

2004年夏より、カリフォルニアにある大学病院のICU(集中治療室)にて勤務中。
7年目のベテランナース(?)

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