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Angel Blue ~アメリカICUナースのブログ~

カリフォルニアの大学病院にあるICUで看護師をして7年目。 ICUの中で起こる日々のドラマ。 アメリカの命の現場から生の声をお届け! アメリカ医療の裏側やナースの日常を覗いてみませんか? まずは「ハイライト」内の記事からチェック!!

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昨日は、70代の男性患者さんの受け持ち。



この患者さん、先月末に床に倒れてるところを発見され、ERを経てICUへ。



胃潰瘍による出血との診断が出て、処置が行われ、今はもうすっかりお元気に。



ところがこの患者さん、まだ足元がものすごくふらついていて

ベッドから椅子に座るのもままならないのに、勝手に一人でベッドから出ようとしてばかり。



何度も何度も、

「立ちががる時やベッドから出たいときは、ナースコール押して教えてね」

って注意するも、聞く耳持たず・・・というかすぐに忘れてしまうみたい。



ふと部屋の中をみるとベッドや椅子から出ようとして落ちそうになってるのを発見し、

私が一目散に駆け寄って、体を支えに行くことが何度となくあって。。。



全く気の抜けない状態。



椅子に座っていたかと思うと、ちょっと目を話した隙に立っていたりするので、

記録用のデスクから常に部屋の中を覗いていたのですが、

なんせ、速い速い!



MRSA(多剤耐性ブドウ球菌)という院内感染の恐れのある強い菌を保有してるので、

この患者さんの部屋では、隔離用のガウンや手袋着用の義務があります。



でもね、一人で勝手に立っちゃって今にも倒れそうにフラフラしてる患者さんを目の前にして、

いちいちガウン着てゆっくり歩み寄ってる時間無いわけですよ。



MRSAの隔離も大事だけど、何よりも患者さんの安全第一ですから。

患者さんがもし転倒して頭打ったり怪我したりなんかしたら、私の責任問題になるし。



だから、こういう時は

最初ガウン着ないで駆け寄ってでも、患者さんをまずは椅子に座らせ安全確保。



そのあとで、部屋の入口まで戻ってガウンを着る。

ずっとそんなことの繰り返しだったのですが・・・



患者さん椅子に座らせて、

「今ガウン着てからベッドに戻してあげるから、何度も言うけど絶対一人で立たないでね。」



とよくよく言い聞かせて、

入り口まで歩いてガウンに手を伸ばした瞬間、

なんか嫌な予感。。。



ふと後ろを振り返ると・・・



患者さんまた一人で立っちゃってるじゃないの~!


しかも、めっちゃフラフラしてる!!! ( ゜o゜;)



「NO~~~!!! HOLD ON~!!!」

ノォー!!! ちょぉ~っと待ったぁ~!!!)



ねるとん紅鯨団の男子並に叫びながら、すぐさま踵を返して、患者さんのもとへ!


倒れる寸前の患者さんをかろうじてキャッチ!!


(てか、ねるとん紅鯨団って・・・古っ! すみません。。。)

 

ほんとさぁ~、勘弁してよ~。。。

部屋の入口まで歩いた数歩の間、患者さんに背を向けただけなのに。。。

これじゃ~、もう一人の患者さんの部屋におちおち行ってられないじゃないの。



お陰でずっと立ち通しだし、記録はなかなかできないし・・・

う~ん。。。 正直イラッときちゃったけど、そこはやっぱり、

病を憎んで人を憎まず!
   (※関連記事:『噛む患者、唾を吐く患者』)
 


たださすがに、これには私も痺れを切らして、Sitter (シッター)をリクエスト。
 

 
日本の状況はよく分かりませんが、アメリカの病院にはシッター制度があります。

ベビーシッターのシッターです。

シッターという言葉は、別にベビーだけに限らず、普通に Dog Sitter などにも使われ、

要するに、誰かの代わりにおもりをする人、のことです。



病院でのシッターの役割は、

今にも暴れたりベッドから飛び出そうな患者さん、や

自殺願望を持って自殺する可能性のある患者さん、の

見張り おもり

です。



Sit (座る)の動詞に、 er(~する人)っていうくらいで、

要するに、ずっと患者さんの部屋で座ってれば OK!



とっても楽な仕事ですよ。

座ってるだけでお金が貰えるんですから。



といっても、何かしてないとソワソワして逆に落ち着かないタイプの私は、

こういった仕事、大の苦手ですが。。。

逆にゆとりのある仕事がしたい方にはとってもオススメのお仕事です!



という訳で・・・

私のシフトでは急すぎて、シッターの確保が出来ませんでしたが、

夜のシフトではなんとか、シッターを手配できるとのこと。

幸い、患者さんの家族も来てくれて、シッターが来るまでは残るって言ってくれたし。



良かった~~~!

これで一安心。

あのままシッターが手配できなかったら私、心配で夜も眠れないだろうし、

それに、次のシフトでこの患者さんをケアするナースに対して罪悪感になっちゃうよ。



あ、ちなみに・・・

訴訟社会アメリカでは、とにかく何でもかんでも記録することが大事。

患者さんがどういう状態だったのか

患者さんにどうしてシッターが必要なのかシッターの分の余計なお金もかかるし)

そして、私がシッターを要請したこと

これをバッチリ記録しておきました。



こういった記録をしておけば、

シッターが手配できなかったのは、病院側の責任になるし、

患者さんのコントロールが厳しい状況だったことの証明にもなり、

たとえ患者さんが次のシフトで転んで訴訟が起こされたとしても、私はセーフ。

やるだけのことはやった訳ですから。



なんか、この患者さんのことでハラハラしてばかりで、1日がとても長~く感じましたが、

なんとかシフトを乗り切りました。




それにしても、患者さんほんと無事で良かった~~~。




ナースの心得、その3:

細やかな記録で自身の身を守るべし!



関連記事: ワガママな恋人も読んでくださいねっ☆



 

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今日は3日連続シフト第1日目



それを分かっていながら、昨日あった女子会の盛り上がりと楽しさに屈して、

今日は若干寝不足。。。




はい。自業自得です・・・分かってます。

案じた如く、今日のシフトは体が重くてちょっと辛かった。。。




看護師の悲しい性


他の人が金曜日だからってハジけて、盛り上がり最高潮のところで、シンデレラ。



「明日仕事なの~。申し訳ないけど・・・帰らなきゃ~。」って。



正直、そりゃめっちゃ後ろ髪引かれましたよ!




1日だけの仕事だったら、もうちょっと頑張ったかもしれないけど、

普段絶対やらない、3日連続勤務だから、自分でもちょっとキョドっちゃって。。。




まあ、毎週末働くわけじゃないですけど、1ヶ月前とかにすでにシフト決まってるので、

週末に楽しいイベントがいきなり入っても、行けない可能性も大なのです。




「週休4日なのです!」という記事でも書きましたが、

12時間半のシフトの週3勤務週休4日というのが仕事条件。





普段は、2日働いて2日休んで、1日働いてまた2日休んで・・・

みたいなお気楽スケジュールです。




それを何を間違ったか、3日連続シフトになっちゃった。。。




この2日連続と3日連続の違い、結構大きいのです!




3日連続した後の休日は本当に体が重くてグダーってして1日つぶれる。。。

精神的にも3日連続はストレスが蓄積されかねない。




なーんて・・・こんなにボヤいているけど、

日本の看護師さん達は10日以上の連続勤務とかもあるらしいですね。

すみません・・・凄すぎて、想像もつきません!




3日連続程度で、こんな弱音吐いてたら怒られちゃう!!




なんか、疲れて頭働いてないので、まとまりのない記事になってしまいましたね。

残りの2日に備えて、もう寝ることにします。




ぐっすり寝て、また明日も頑張りま~す☆



ではまた。


おやすみなさい。 ZZzz..... 
 

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今日は、朝起きて支度をしていると・・・



バスルームにていきなり血の気が引き、立てなくなってしまいました。。。




そして、その脳貧血気味なせいで、吐き気をもよおし・・・




オェっ って。。。




そのままバスルームで這いつくばっていました。。。




・・・で、幸い近くにあった携帯電話で仕事先に電話。




息も途切れ途切れに・・・



"I'm sorry, but I'm gonna be late... I was about to pass out and started to throw up..."

(申し訳ないけど、今日遅刻する・・・。失神しそうになって吐き始めたし・・・。)



"Why didn't you call in sick??!!"

(何で休むって電話しなかったの??!!) ((イラッ))



"Well, I was OK last night... All of sudden... it just started... this morning..."

(だって昨日の夜は平気だったんだもん・・・今朝突然始まったことで・・)



"Just give me 1 hr or so... I'll try to settle down..."

(1時間くらいでいいからちょうだい・・・。なんとか落ち着くから・・・。)




あのですね・・・

ご説明しますと・・・


ウチの病院は、病欠連絡は 朝の4時まで にしなくちゃいけないのですよ!!



まあ普通の仕事ではないので、仕方ないといえばそうなのですが。。。



患者さんとナースの人数のバランスをシフト毎に調整していかなければならないので、

それは分かるんだけど・・・



その日起きてみたら具合が悪かったってことってある訳で。。。。



確かに、空いた私の穴を埋めるのは至難の業。

他にナースを呼ばなくてはならないのですから・・・。



私としても、もちろん迷惑を掛けたくないので、

絶不調で仕事に行きましたよ・・・。




むこうも一応気を遣ってくれたのか、

ナースの休憩をカバーするヘルパー的な簡単な仕事に回してくれて

7時半までのところ、4時半まで居ればいいよ的な感じでした。




ありがたや、ありがたや~。




自分の患者さんを受け持つ訳ではなく、仕事量的には楽ではあったのですが、

今か今かと4時半になるまで時計とにらめっこ。




どこからともなく漂ってくる排泄物の匂い




うぅっ



と何度もなりながら。。。



本当に辛し。。。




こんなに辛い時でも患者さんの前では笑顔 ♥



(私はいったいどこまで偽善者なのよ・・・。 でもそんな営業スマイルにさえ力がこもらない日ってあるものねぇ。などと思いつつ・・・。)





待ちに待った4時半~♫




「帰るね~」って報告しようとしたら、



な、なんと・・・




「新しい患者さん来るから、残って」




ですと!!




ガックリ。。。 _| ̄|○





あまりにもショックで、顔色更に青白くなり、

危うくポケットの中のルージュに手を出しそうになったじゃない。。。

   
   (※関連記事: 『 ワガママな恋人』 参照)




ひどいじゃないのよぉ~。。。

 

私が絶不調なのがいけないんだけどぉ・・・。



 

で、泣く泣く待ちましたよ、その他の病棟からICUに来るという患者さんを。
 



 

それなのに・・・
 



 

来なかった。。。。
 


 

患者さん、来なかった。。。




待ち人来たらず。。。。。




え? そんなオチなの? 

 



その数時間、

 

クラクラしながら耐えた数時間、

 

匂いに危うく喉が負けそうになりながらも耐えぬいた数時間、
 


 

返してぇ~~~!!!



 

・・・という訳で、結局12時間ー1時間(遅刻)の11時間、耐えに耐えた、

というお仕事日記でした。

   (関連記事: 『週休4日なのです!』 参照




はぁ~、辛かった。。。

こうしてソファーでぐだぁ~っとする時を、どれだけ夢見たことか。。。





明日の日曜日はお休みだけど、大事なイベントが・・・


今日は早く寝まーす。 ZZZzzz...

 

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今回受け持った患者さんは骨髄性白血病のお爺さん1人。



クリスマスに亡くなったジョニーおじさん と同じ病気の方で、ちょっと複雑な気分。



この患者さん、朝のシフト交代直前から血圧がどんどん降下したらしく、

既に2種類の昇圧剤の点滴の投与量がMAX

前日に数回目の気管挿管もされ、気管チューブを通して呼吸器から呼吸のサポートも受けている状態。



こんな感じの患者さんはICUで決して珍しくないのですが、

なんとか夕方までは血圧コントロールに成功し、血圧が安定していました。




午後の皮膚科のドクターの回診。



数日前から奇妙な水膨れが指や腰などに出始めたので、

皮膚科にもコンサルタントとして来てもらってるのです。

先日、皮膚科チームが水膨れ皮膚病変を少し切り取って生体検査に出したところでした。



そして、このドクターがこの患者さんの皮膚病変をカメラで写真に収めながらボソリ。




医師: "The biopsy result came back positive with Mucor."

(生検の結果でMucor陽性だったんだよ。)

私: "Oh, really..."

(あ、ホントにぃ・・・)

病室で仕事をしながらの会話だったので、危うく聞き流しそうでしたが・・・
 


私: "Wait! What?! Did you just say Mucor??!!"

(え?!ちょっと待って、今 Mucor って言った??!!)


 
医師: "Yeah. Mucor."

(そそ。 Mucor。)

私: "Oh...my...god..."
(え、うそ・・・)


 
私は Mucor と聞いて思わず鳥肌が立ちました。



普通の病棟でもそうだと思いますが、院内、特にICUで

聞くと誰もが驚愕を覚える恐ろしい言葉

Mucor



めっちゃくちゃ怖~~い感染症




特にICUでは

『死の宣告』 も同様。




ものすごく、致死率が高い病気で、私が読んだ記事によると

致死率50%~85%だとか。。。



半数以上の感染者が亡くなる訳です。



しかも、これは全体的な数字で、

最初から重症な患者さんが集まるICUでは、助からないケースがほぼ100%

と言っても過言ではないでしょう。



更に怖いことに、Mucor と判明してから亡くなるまでの時間は容赦なく、

数日

といったところでしょう。

1週間ともった患者さんは、私の経験上見たことがありません。




特にこのお爺さんのケース。

一番残酷なケースです。



骨髄白血病により病原菌と戦う白血球の数が著しく少ないのです。



健常な人の白血球数の基準値は、本によって多少異なりますが、

4000~9000

と言われています。



このお爺さんの白血球数は、たったの80程度



Mucor に打ち勝つ力、残念ながらゼロ。。。




なんにせよ、ドクターに一刻も早く知らせなくちゃ!



ICUのドクターに知らせると早速、超強力な抗生剤をオーダー。



これで少しは回復してくれるといいけど・・・。



と思う傍ら、患者さんの意識レベルは血圧と共にどんどん低下し昏睡状態に。

血圧も2種の昇圧剤だけではコントロールできなくなったので、

3種類目の昇圧剤の点滴も加えることに。



時間の経過とともに、患者さんの状態はどんどん悪化傾向にありました。。。





そろそろここで、

「この恐ろしい Mucor とやらは、いったい何ぞや?!」

という疑問にお答えしますね。





この恐ろしい病気の犯人は、

 
コレ ↓ ↓

 
ケカビ ← thefullwiki.org から拝借



何だか分かりますか?




正体は、真菌

つまり、カビ のことです。



そして、中でも Mucor は ケカビ

写真でも分かると思いますが、フワフワした産毛の様ですよね。



このケカビは、日常によく見られるカビの種類で、

土壌・糞・食品などの湿った有機物によく潜んでいるようです。



よく見られるカビなので、健康な人が吸い込んでも別状はありませんが、

免疫力低下傾向にある人や糖尿病を患っている人にとっては、

ムコール症という、非常に重い感染症になりかねません。




免疫低下の人が感染症に弱いのは言うまでもありませんが、

糖尿病の人もいろいろな理由で感染症に弱い傾向があります。



Mucor のような カビの感染症では特に、

血糖値が高い ⇒ カビの栄養である糖分が体内に豊富 ⇒ カビが繁殖しやすい

ということもあり、糖尿病の人においての感染が悪化しやすいのです。



では、このムコール症、どういう症状を引き起こすのか。

『メルクマニュアル医学百科家庭版 』の簡単な説明を引用させていただきます。


鼻と脳を侵すムコール症の症状としては、痛み、発熱、眼窩(がんか)の感染(眼窩蜂巣炎)による眼球突出などがあります。鼻から膿が出て、口の天井(口蓋[こうがい])、眼窩や副鼻腔周辺の顔の骨、2つの鼻孔を仕切っている壁の破壊も起こります。脳に感染すると、けいれん発作、部分麻痺(まひ)、昏睡(こんすい)が起こります。

肺のムコール症は、発熱、せき、ときに呼吸困難を起こします。


 

ウェブで見つけた感染例の写真をアップしておきます。


ムコール症 鼻 ← ispub.com より拝借

典型的な所見です。

私が以前受け持ったムコール症患者さんもこんな感じでした。

目と鼻が Mucor に蝕まれています。

外見からの判断は難しいですが、鼻の骨や副鼻腔まで感染が広がっていそうです。




結構過激な画像が多々あったため、比較的刺激の少ない画像を1枚だけお借りしました。

ムコール症は英語で Mucormycosis。

もっと詳しい病変所見を見るには、Mucormycosis で画像をググってください。

ちなみに、Mucor は、カタカナ表記にすると一番近い発音が、ミューコァー  ・・・かな。




今回の患者さんの場合、ムコール症でよく見られる目・鼻・口の病変はなく、

メインに見られたのは、手の指と腰の辺りに出来た、赤黒い大きな水膨れでした。


また、今まで病原菌が特定できなかった肺炎を起こしていますし、

意識レベルの低下/昏睡も、Mucor が肺や脳まで侵食している可能性を考えると

いろいろなことにあっさり理由がつきます。



今まで何度か痰や血液の培養検査をしていますが、なかなか正体を現さなかったこの犯人。

この患者さんの体を今にも食い尽くそうとしていた訳です。




この患者さん、既に重症のため、抗生剤の効き目もどれだけ見られるか分かりませんが、

数日中にお亡くなりになる可能性が、残念ながら高いです。




この患者さんがMucor に感染したという悲しい事実を知り、

その日の私は溜め息が絶えませんでした。

もちろん患者さんの病室ではそんな姿を見せられないけれど。。。



この患者さんの展望としては、おそらく翌日にでも家族会議を開き、

現状を率直に丁寧に説明した上で、安楽死というオプションを提示することになると思います。




コントロール出来ない病気が相手だから仕方ないのだけれど、

そんな時にはどうしても、看護師としての無力さを感じてしまいます。。。




それでもまだ、出来る看護は見つければたくさんあるはず!



病気の治療のお手伝いだけが看護ではありませんから!




例えば、亡くなるまでの間、患者さんをできるだけ痛みのない快適な状態にしてあげること。

患者さんが昏睡状態にあるので、患者さんは何も言えません。

たとえ呼吸が辛くても、どこかが痛くても、何も言えません。



痛み止めの点滴の量をバイタルを見ながら調節してあげたり、

シーツが体の下でぐちゃぐちゃになって肌を刺激していないかチェックするとか、

床ずれで体が痛くならないように、頻繁に寝返りを打たせてあげるとか、

耳が枕に潰れて痛くなっていないかとか、

気管チューブが入って乾いた口の中を湿らせたりきれいにしてあげるとか・・・



すごく細々としたことだけれど、気づいてあげられることってたくさんあると思います。




大事なのは患者さんのケアだけではありません。

昏睡&瀕死状態にある患者さんの家族のココロのサポート

これは本当に大切。


家族(親戚・友達・恋人などなど全て含めて)は大切な人を失ってしまう恐怖に、

パニック状態で、ひどいストレスや悲しみを感じているはずです。

その家族に対しての声掛け、説明、いろいろな気配り・・・

ナースの仕事として欠かせません。





こんな風に、挙げればキリがないくらい、ナースだから出来ることってたくさんあるんです!




死んでしまう!と分かった患者さんに対しても、

これからも自分の出来る限り精一杯の看護をしていけるよう頑張りたいです!!





ナースの心得、その2。


病気の治療のお手伝いだけが看護ではない!!






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前回の記事の最後の部分で、吠える患者さんについて触れましたが、

今回は


噛む & 唾を吐く患者さん


についてお話したいと思います。



実は私が愛する人を目の前に・・・ 葛藤、恐怖という記事を書いた去年の感謝祭当日、

他の患者さんの部屋では大事件が発生していたのです。





私のいるICUには本当に色々な患者さんが訪れますが、

たまに、薬剤の過剰投与によりICU行きとなる患者さんも来ます。


薬の種類によりますが、過剰投与で昏睡状態となり命の危険に晒されることも

決して稀ではありません。



今回のエピソードに出てくる患者さんは、とある麻薬性のある薬を故意に大量投与し、

意識不明の重態となり、更には呼吸困難も見られたため、気管挿管された患者さんでした。



私の直接の受け持ち患者さんではありませんでしたが、

いきなり他の患者さんの部屋から



「ストップ! ストーーーップ!!」



という大きな声がしたので、その部屋に急いで駆けつけてみると、

患者さんが挿管されていたはずの呼吸チューブを勝手に抜こうとしていました!



呼吸をサポートしているこのチューブを抜いてしまうと

また呼吸困難になる可能性が高いので大変なのです。



担当のナースが必至でそれを止めようとしていましたが、

まだ若い男性の患者さんだったので、その人の強い腕力に及ばず、

患者さんが抜管成功。。。



万が一のため専用の紐でベッドに拘束し、抜管などを未然に防ぐ努力はしていたのですが、

とにかくベッドの上でいきなり暴れだし、すごい腕力でなんとか手を口元に持っていき、

気管内チューブを引っこ抜いたのです!



それまで麻薬の過剰投与や鎮静剤影響で静かに眠っていたそうですが、

その効き目が切れ始めたのか、いきなりの大騒動。



患者さんが勝手にチューブを抜いてしまうことは、稀ではありませんが、

この患者さんはその後に問題が。。。



薬の過剰投与による一時的な肝性脳症もあり、精神混乱状態にあるため、

ナースが数人がかりでまたベッドに拘束しようとしても、とくかく暴れる暴れる。

患者さんは憤慨マックス状態!



挙句の果てに、叫びながらナースに対して罵倒・暴言吐き始める。

もちろん放送禁止用語続出のひどい罵りでした。



看護師側としては、患者さんの安全のためにベッドに拘束しようとしたのですが、

精神混乱状態の患者さんからしてみれば、確かに理不尽に思えるのでしょう。



怒りに怒り、叫びに叫びまくっても体を抑えこもうとするナースに対してこの患者さんは、



ナースの腕をガブリ噛む!!


ナースに向かって思いっきり唾を吐く!!



なんてことをし始めた訳です。



患者さんの唾がベットリとユニフォームに付着してしまったナースがいましたが、

幸い噛まれたナースの傷は大したことはなく、大事には至りませんでした。



こうなってはナースもお手上げ状態寸前です。



鎮静剤などでなんとか患者さんを安定させることが後にできましたが、

ICUではこのような未知なる危険も潜んでいるわけであります。



感染能力の強い感染症を持った患者さんが多数訪れることもあり、

もし血が出るほど噛まれたりした場合には恐ろしいことになるのです。




ある意味、


患者さんも命がけでしょうが、ナースも命がけ。




でもここは、ナースとして、


病を憎んで人を憎まず。




この患者さん、翌日にはり事件の原因である一時的な薬物中毒からすっかり回復し、

その担当ナースに対して、何度も平謝りをなさっていたそうです。



記憶は残っているもんなんですね。

お酒を飲み過ぎてハメを外してしまった嫌な記憶が翌日に残ってる的な感覚でしょうか。。。

患者さんとしても、精神混乱状態時の行為とはいえ、

謝るときはきっと、決まりの悪いことこの上なかったことと思います。

でも、ナースも謝罪してくれたことに対して、素直に喜んでいました。



という訳で・・・


ナースの心得その1、

病を憎んで人を憎まず

でございます!

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プロフィール

名前
Angel
職業:
看護師 Registered Nurse
趣味:
ゴルフ ピアノ 食べ歩き
自己紹介:
1978年、早生まれ
埼玉県出身
カリフォルニア在住
アメリカ暦9年

日本の大学卒業後、医学研究職2年。

その後アメリカの大学へ留学。看護学部を卒業しBSN(Bachelor of Science in Nursing)取得を経て、RN(Registered Nurse)免許取得。

2004年夏より、カリフォルニアにある大学病院のICU(集中治療室)にて勤務中。
7年目のベテランナース(?)

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