忍者ブログ

Angel Blue ~アメリカICUナースのブログ~

カリフォルニアの大学病院にあるICUで看護師をして7年目。 ICUの中で起こる日々のドラマ。 アメリカの命の現場から生の声をお届け! アメリカ医療の裏側やナースの日常を覗いてみませんか? まずは「ハイライト」内の記事からチェック!!

HOME Admin Write
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

↓↓↓ ランキング奮闘中です! ♥応援クリックよろしくお願いします♥
ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ


クリスマスの昨日、私のとっても大切な人が、私の手の中で息を引き取りました。


ジョニーおじさんは、

アメリカに居る私のたった一人の家族。

私の人生最大の恩人。

私を決まって笑顔で迎え、いつも無償の愛で温かく包みこんでくれた人。



12年前、初めてのアメリカ旅行でラスベガスに寄ったとき、

とっても不思議なご縁で、この人の親戚を通じて知り合いました。



それからというもの、私が留学するにあたって、ものすごくお世話になりました。

留学中、数ヶ月間借りして家に済ませてもらったこともありました。

この人の助けがなかったら、私はこうしてアメリカで無事ナースとして働けてなかったかも。



私がアメリカで初めての授業の登録手続きをするときも、

私が初めて右ハンドル・右車線での運転を練習するときも、

私が看護師の国家試験の勉強に奮闘しているときも、

私が初めてマイカーを買うときも、

私の就職が決まって職場近くで部屋探しをするときも・・・

ジョニーおじさんは、いつも私のそばに居て、いつも私のことを精一杯応援してくれました。



元はといえば見ず知らず、全くの赤の他人だったのに、

実の娘のように私のことを大切に想い、時には心配し、可愛がってくれました。

気がついたらお互いにとって実の家族のような存在になっていました。



家族と過ごすのが慣習となっているアメリカのクリスマス。

私の初めてのアメリカでのクリスマスもジョニーおじさんと一緒でした。

毎年、当たり前のようにクリスマスを一緒に過ごしました。



その初めて一緒に過ごしたクリスマスから8年経った今年のクリスマス。

いつもの温かくて穏やかなクリスマスの欠片も無かった。



85歳にして白血病と骨髄線維症を患っていたジョニーおじさんは、

家族と本人の意向もあり、クリスマスイヴの2日前から

ホームホスピス(自宅での緩和ケア)

として、自宅で安らかな死を迎えようとしていました。



クリスマス・イヴの日、仕事を終えすぐにジョニーおじさんのところへ直行。

できるだけ多くの時間を一緒に過ごせるように、泊り込みする準備をして向かいました。



それでも私が家に着いた頃にはおじさんはもう寝ていたので、

実の息子の意向をくんで、会わないでそっとしておいてあげることにしました。



そして、翌朝。

私が久しぶりに会ったジョニーおじさんは、

血にまみれた状態で、寝室の床に横たわっていました。



きっと、何かをするために一人でベッドから立とうとして、倒れたのでしょう。

おじさんが寝ている間も1時間置きにチェックをしてはいたので、

発見は早かったのですが、意識がなく呼吸困難に陥っていました。



気道を確認し、モルヒネで呼吸を楽にしてあげた後、なんとか上半身を起こし、

酸素を吸入しながらできるだけ呼吸に負担のない姿勢を確保しました。



その朝家に居たのは、実の息子と私だけ。

意識もなく体がむくんで重くなっているため、2人だけでおじさんを床からベッドに戻すのが

困難と思われたので、ホスピスナースを急いで呼んだけれど、

クリスマスのためか、来るのに数時間かかると。。。


仕方なく、おじさんの彼女(といっても77歳)を電話で呼んで、

ベッドに体を戻す作業を少しでも手伝ってもらうことにしました。


彼女が駆けつけてから、3人掛かりでなんとか体をベッドに戻し、

また呼吸が苦しくないような姿勢を確保しました。




それから数分としないうち。。。

最愛の息子、奥さんが亡くなった後15年連れ添った彼女、そして私、

いつもそばに居た3人の手に包まれ、ジョニーおじさんは永遠の眠りに就きました。



3人に囲まれていた最後の数分は、痛みや呼吸困難の症状も見られず、

とっても穏やかな、短くて長い時間でした。




ジョニーおじさんの最後の息を3人で看取ったあと、

3人で協力して、体を拭き、新しい服を着せ、

シーツや枕カバーを全部エジプト綿の新品のものに替えました。



ジョニーおじさんは亡くなる前に、死んだ時の希望を明確にしていたのです。

おじさんの威厳を保つこと。

エジプト綿のシーツに亡き骸を包むこと。





とても安らかな顔をしたジョニーおじさんを目の前に、

意識のまだあった前日、無理にでも会おうとしなかった自分に後悔。

時間を作って、もっと頻繁におじさんを訪ねに来なかった自分に後悔。

そして、ありがとうの気持ちも、愛してるの気持ちも、伝えたいことがいっぱいあったのに、

それを喋れるうちに、意識のあるうちに伝えなかった自分に後悔。




初めて一緒に過ごしたクリスマスから8年。

用意をしていたクリスマスプレゼントのカーディガンを見せてあげることも、

着せてあげることもできず、

「メリー・クリスマス」の代わりに言った「さよなら」の言葉。



2日経とうとしている今でもまだ信じられない気持ちでいっぱい。。。

一緒に過ごす時間も、

いつも私を笑顔にした気の利いたイギリスジョークも、

太陽のような笑顔も・・・

もう手の届かないところにある。。。




ジョニーおじさんは、私が看護師になるために、多大な貢献をしてくれた人だけど、

私はしっかりおじさんの看護をできたのだろうか。。。

亡き骸をきれいにしてあげるのも、看護師のとっても大切な仕事で、

今まで看護師として何人もの患者さんの亡き骸をこの手できれいにしてきたけど、

おじさんの亡き骸をきれいにするのは、さすがに辛くて、涙が止まらなかった。


看護師になろうと奮闘していたを精一杯応援してくれたおじさんに、

もっと他の形で看護で恩返ししてあげたかったなぁ。。。。





前回の記事で、『強く生ようと想う日』を作ろうと思います、

と書きましたが、まさかその翌日にその日が来ると思いませんでした。。。



ジョニーおじさんが、私に教えてくれたこと、

ジョニーおじさんが、私の心の中に残してくれたもの、

そして、ジョニーおじさんが精一杯応援してくれた、看護師としてのキャリア、

それを生涯大切に、これからも強く生きていきます!




・・・って強く言えるほど、まだ喪失感から正直立ち直れていません。

先日『クリスマス・イヴの誓い』 という記事を書いたばかりなのに、

当の私がこんな状態で。。。

読者の方、ごめんなさい。。。

でも、きっと来年のクリスマスには、ちゃんと『クリスマスの誓い』をして

「生きよう!」と強く想えるようにしますね。
 

 

拍手[15回]

PR
↓↓↓ ランキング奮闘中です! ♥応援クリックよろしくお願いします♥
ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ

今日はクリスマス・イヴ

この日は私の彼にとって、とっても特別な日


『生きよう!』って強く想う日。



というのは、ずぅーーーっと昔のクリスマス・イヴ、彼は親友をバイク事故で亡くしたそうです。

当時まだ高校生で若かったから尚更、強烈な心の痛みを味わったことと思います。



人は悲しい記憶を心の奥底に沈めて、その辛い記憶を避けて生きることだって出来るはず。

でも、彼はちゃんと毎年当時の記憶を思い出し、その気持と向き合い、毎年決まってこの日に強く生きようと誓ってるんです。

私は、これは素晴らしいことだと思います。



親友を突然失った悲しみこそ大きいでしょうけど、その親友は彼に掛け替えのない素晴らしいものを残してくれたんだと思います。


この亡くなった親友は、ちゃんと彼の気持ちの中に住んで、数十年経った今でも、強く生きようとする彼の背中をずっと押してくれてるんですよね。




人を失った悲しみから、生きる勇気が生まれる。



ちょっと特殊だけど、これもある意味

『心の糧』

になるなのかなぁ。。。



私も、強く生きようと想う日を作りたいと思います。



P.S. 私の彼:
とってもパーソナルなこと、暴露しちゃってゴメンネ。
でも、素晴らしいことなので、どうしても書きたくて。。。 許してネ~☆

拍手[6回]

↓↓↓ ランキング奮闘中です! ♥応援クリックよろしくお願いします♥
ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ


今日は80代の盲目の患者さんについてのお話。


私の担当ではなく、お隣りの部屋にいた患者さんですが、この方、

緩和ケアで病室にて

一人ぼっちで死を待っている状態。


「待っている」というのはちょっとおかしな表現なのかもしれませんが、正直ほかに言葉が見つからなくて。。。



担当ではなかったので、詳しい病名とかまでは知りませんが、

この患者さん、盲目な上に痴呆症があるようです。

緩和ケアになるくらいなので、病気の予後が悪いのでしょう。

※緩和ケアについては、過去記事『愛する人を目の前に・・・葛藤、恐怖』
で少し説明してあるので、ご参照ください。
 


病院の病室のベッドで、ずっと一人で寝ています。(全室個室)
 
というか、起きてるのか寝ているのかよく分からないくらい全然動きません。。。



何が悲しいかって・・・

誰一人としてお見舞いに来ない



それどころか、この患者さん、老人ホームからICUに運ばれて来たそうですが、

老人ホームで過ごした

5年もの間、一人もお見舞いに訪れなかったそうです。



そんな孤独な5年間を過ごした上に、死ぬ間際の今となっても

誰にも看取られることなく、一人ぼっちで他界していく。。。



訪れる人は、ナースとかドクターとか、病院のスタッフのみ。



盲目のこの患者さん、

最後に何を見るでもなく、誰に会うでもなく、

闇に包まれたまま死を迎える。



そんなことをつらつらと考えていたら、とてもやるせない気持ちになりました。


幸か不幸か、もしかしたら痴呆症で状況が理解出来ていないかもしれないけど。。。



人生の最後、愛する人達の声を聞きたかっただろうな。。。


人生の最後、愛する人達の手を握りたかっただろうな。。。



老人ホームにいた5年、そして死ぬ間際の今になっても

なぜ誰も会いに来ないのか、家族がいるのかいないのか、

そこら辺の状況や理由は全然わからないけど・・・



一人で孤独に死んでいくって、どんな気持ちなんだろう。




私が死ぬ時は、誰かずっとそばに居て見守ってくれるかな。。。


私はどちらかというと、淋しがり屋だから、一人で死ぬのは嫌だな。。。


もしも結婚せずに、子供も産まずに、ずっと家族のいない人生を送るとしたら、

やっぱりこのお婆さんみたいに病室で一人ぼっちになっちゃうのかな。。。


そんなの絶対、切ない。。。




次に働くときは、このお婆さんに話しかけてみようかな・・・

と思いながら、仕事にいったのですが、既に時遅し。

この患者さん、ICUから他の病棟に移動されてました。



もっとちゃんと気が付いたときに話しかけてあげれば良かった。。。

でもその時は、なんか胸がいっぱいでそんな余裕なかったよ。。。ごめんね。

ちょっと後悔。。。



どうかこの患者さんが、体の痛みも心の痛みもない安らかな死を迎えられますように。。。



拍手[6回]

↓↓↓ ランキング奮闘中です! ♥応援クリックよろしくお願いします♥
ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ


今日は私が担当している患者さんのご家族から、菓子折りをいただきました☆


いただいたのは、これ ↓

See's Candies

カリフォルニア生まれのチョコレートの老舗、

See's Candies 

チョコレート詰め合わせです。



このチョコレート、とっても美味しいの~ ♥



って、メインはこのチョコの美味しさじゃなくて。。。



家族がありがとうの気持ちを示してくれたこと。



私が患者さんを一生懸命お世話しようとしてる姿勢をきっと理解してもらえたんだと思います。

・・・勝手にそう思うことにします!(笑)



個々の患者さんは、看護師を含む病院のスタッフからしてみれば

数いる患者さんの中のほんの一人にすぎないのかもしれないけど、

患者さんの家族からしてみればその人は、代わりのいない、とっても大切な人なんですよね。


看護師とはいえ、その大切な人の命を会ったことのない人に預ける訳ですから、

その看護師がどんな人間なのか知るまでは、きっと不安なことでしょう。


看護師として、患者さんはもちろん、家族の信頼を得ることが重要だということは言うまでもない事実です。


でも、その絶対的信頼を得るのは決して容易なこととは言えません。



信頼を築けるか築けないか、

そのキーポイントとなるのはやっぱり


コミュニケーション。



薬を投与するにも、何かをチェックするにも、わかり易い表現で常に声に出して何をしているのか説明すると、患者さん本人や家族の信頼度アップに繋がります。

質問にも出来るだけ答えたり、患者さんや家族のニーズに応えることで信頼を築くこともできます。



ただ、何かをしながらその都度その都度言葉で説明するのは至難の技ですし、それをしようとすると時間も余計にかかってしまいます。

正直なところ、忙しすぎてそういったことを怠らざるを得ない状況も時にはあります。



でも、どんなに忙しくても、患者さんを自分の家族のように大切に扱う姿勢だけは決して崩してはいけないと思います。


言葉でいろいろ説明できなくても、患者さんに対しての視線・表情・タッチ・話し掛ける声のトーン、いろいろな箇所に患者さんに対するナースの姿勢が現れてきます。


コミュニケーションの要素は、言葉だけじゃありませんからね。


言葉でのコミュニケーション、そして言葉以外のコミュニケーションにより、

患者さんやその家族とナースの絆が深まっていくのです。



なんか・・・

話が脱線してしまった気がしますが。。。



とにかく・・・

私が患者さんを大切に思う気持ちが伝わったから、

家族も「ありがとうのしるし」を返してくれたんだと思います。



もちろん、そんなご褒美をもらいたくて患者さんのことをケアしてる訳ではありませんが、

患者さんや家族の


ありがとう


のたった一言で、私はとってもハッピーな気分になっちゃいます☆



その一言が1回でも聞けたら、

今日仕事来て良かった~!

とか

ナースしてて良かった~!

ってニコニコ笑顔になっちゃうんです。



なので、たまに言葉に加えて

「ありがとうのしるし」

をいただくと、舞い上がっちゃいます☆



ギフトその物よりも何よりも、

「ありがとう」の気持ちを伝えようと思ってくれたその気持ち

それが、とっても嬉しいのです ♥



こんな私って、ほんと単純ですよね。。。(笑)



※ブログ内関連記事: 『 患者の視線』 

拍手[3回]

↓↓↓ ランキング奮闘中です! ♥応援クリックよろしくお願いします♥
ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ


ブログをこのブログを始めて50日が過ぎました~!


私のような平凡な一市民のありのままのつぶやきを読んでいただき、感謝感謝の毎日です。

お陰様で1日のアクセス数もアップしていってます☆


拍手やランキングの応援クリックをしてくださる方、本当にありがとうございます。

その1クリック1クリックが、私にとって大きな励みになっています。


コメントもたくさんいただきました!

このブログを読んで、

「命の尊さについて考えました」とか、

「これからも頑張って生きる勇気が湧いてきました」とか、

「応援してるので頑張ってください」とか、

私のような会ったこともない小さな人間から出たつぶやきに対して、

温かいコメントの数々をお寄せいただいて、

本当に嬉しい限りです。


非公開のコメントや、拍手に添えて書いてくださるコメントは、残念ながら公開されないだけでなく、書きたくてもお返事をする術がありません。。。

せっかく素敵なコメントをいただいたのに、お返事できなくてごめんなさい。

看護や留学に興味ある方からいただいた質問にもぜひお答えしたいのですが、

出来ないサイトの仕組みになっていて、いつももどかしいばかりです。。。



今日はこの場を借りて、皆様に御礼を言いたくて。


いつもご愛読ありがとうございます



先月、『すごい発見の奥に見たもの』という記事にも書きましたが、


ブログ始めて良かった~☆☆☆


これからもより頑張りますので、応援よろしくお願いしま~す!!



追伸1:
トピックのリクエストやご提案などございましたら、非公開でもよろしいのでコメントいただけると、これからこのブログをもっと充実していく上で大きな助けとなります。
ご意見・ご要望、いつでも大歓迎です!


追伸2:
今日か昨日に非公開で応援&質問コメントいただいたMさん、メールでの返事をご希望でしたが、メルアドが記載されていませんでした。。。 メルアドを添えて再度メッセージいただければ、喜んで質問にお答えします! もう一度、よろしくお願いします。

拍手[5回]

↓↓↓ ランキング奮闘中です! ♥応援クリックよろしくお願いします♥
ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキングへ

プロフィール

名前
Angel
職業:
看護師 Registered Nurse
趣味:
ゴルフ ピアノ 食べ歩き
自己紹介:
1978年、早生まれ
埼玉県出身
カリフォルニア在住
アメリカ暦9年

日本の大学卒業後、医学研究職2年。

その後アメリカの大学へ留学。看護学部を卒業しBSN(Bachelor of Science in Nursing)取得を経て、RN(Registered Nurse)免許取得。

2004年夏より、カリフォルニアにある大学病院のICU(集中治療室)にて勤務中。
7年目のベテランナース(?)

最新コメント

[04/20 ますみ]
[04/17 NP王子。]
[04/15 花Momo]
[04/15 SMH ]
[04/13 Isamu LA]

リンク

カウンター

free counters
Flags counted since 11/28/2010

ランキング

☆応援ありがとうございます☆

1日1クリックずつポチっとしていただけると励みになり嬉しいです♥

ブログランキング・にほんブログ村へ

人気ブログランキングへ

PR

カレンダー

11 2024/12 01
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

RSS

track feed Angel Blue

最新トラックバック

バーコード

Copyright ©  -- Angel Blue ~アメリカICUナースのブログ~ --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Material by 押し花とアイコン / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]