重症患者はワガママな恋人と同じ。
僅かな遅れがふたりの関係に修復不能なひびを入れることもある。
ICUの看護師たちは無言の相手に献身的につくす。
すべてを投げうって恋人の枕元へと急ぐ。
上記は
海堂尊さんの小説、『
ジェネラル・ルージュの凱旋』からの引用です。
いきなり何の前触れもなくこの記事をスタートしてしまいましたが、この引用部分、
あまりにもピッタリの比喩で、
ICUナースの性をすごく素敵な表現でまとめてあるので、
書き留めるために私は思わずペンを走らせてしまったほどです。
思えば1年ほど前、私が読書嫌いだったことを知らなかった彼が、
私に1本の
真っ赤なルージュに添えて4冊の本を手渡しました。
この真っ赤なルージュが
彼からの初めてのプレゼント。
「このルージュを仕事の時に持っていて欲しい。使わなくていいから。」
という彼の言葉に、丸っきり「???」状態だった私に彼は、
「この本を読んでくれれば、ルージュの意味がわかるから」と。
そして、『ジェネラル・ルージュの凱旋』上下巻の前に、
『
チーム・バチスタの栄光』上下巻を読んで予習して欲しいとのこと。
で、読み始めました。
読書嫌いの私が。。。
ところが、この海堂尊さん特有の
繊細な感性からくる表現といい、
粋な言葉遊びといい、私はすぐにこの本に
魅了されてしまいました。
そして上の引用部分。
これを読んだ時、思わず鳥肌が立ってしまいました。
重症患者はワガママな恋人と同じ。
そう。 ICUの患者さんはとっても手がかかるんです。
不安定なのでいつもいつも気に掛けていなくちゃいけなくて、
一刻たらずとも気を抜けないんです。
僅かな遅れがふたりの関係に修復不能なひびをいれることもある。
患者さんの容態変化に気付くのが一歩遅れたり、
その容態急変に対する処置が一分でも遅れたら、
もう二度と会えないとなってしまうこともあるのです。
ICUの看護師たちは無言の相手に献身的につくす。
ICUの患者さん達は、呼吸器に繋がれていて喋れなかったり、
意識が無く昏睡状態だったりする患者さんが多いので、
献身的にお世話をする相手が無言なことも頻繁にあります。
すべてを投げうって恋人の枕元へと急ぐ。
その時何をしてようが、ランチを食べる時間がなかろうが・・・
どんなに疲れていたってなんだって、自身を犠牲にして
患者さんの命を繋ぐために、患者さんの枕元へと走っていきます。
ひゃぁ~~~!
やっぱり今こうして改めてこの文章の意味をお浚いしてみるとスゴイ!!!
この海堂尊さん、ご本人も
ドクターなんですよね。
だからこそ、こんなしっくりくる文章が書けるんですね。
で・・・ 『
ルージュの意味』、ですが・・・
これは、ぜひこの素晴らしい小説を読んで、その意味を探し出してください☆
私が
読書嫌いを克服したほどの名小説なので、きっとどなたにもお楽しみいただけると思います。
ちなみに、このルージュの意味が分かって以来、
私のナースのユニフォームのポケットには彼からもらったルージュが欠かさず入っています!
このルージュはいつでも私のことを守っていてくれる、私の宝物です ♥
↑ こちらの本です
それでもやっぱり本は苦手、という方は
ドラマでどうぞ。
ドラマのDVDはこちら [0回]
PR
この記事へのコメント