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Angel Blue ~アメリカICUナースのブログ~

カリフォルニアの大学病院にあるICUで看護師をして7年目。 ICUの中で起こる日々のドラマ。 アメリカの命の現場から生の声をお届け! アメリカ医療の裏側やナースの日常を覗いてみませんか? まずは「ハイライト」内の記事からチェック!!

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今日の患者さんは70代男性。



この患者さんの大きな手術歴、なんと


心臓移植 2回


腎臓移植 1回




腎臓移植を3回した患者さん は以前受け持ったことあるし、

心臓と肺を同時に移植した患者さんも受け持ったことあるけれど、

心臓移植を2回受けた患者さんは初めて。

更には腎臓移植までご経験なされてる。。。



只今70代のこの患者さん、敗血症に侵されていて、

心臓も腎臓も肺もあまり良い状態ではなく、

昇圧剤人工呼吸器持続的人工透析器の助けなしには生きていられない状況。




そんな患者さんを看ていて、ふと思ってしまいました。



寿命って誰が決めるんだろう。。。




心臓移植を2回もして、腎臓移植までして・・・

その腎臓と心臓も悪くなってまたICUで機械に繋がれながら寝たきりになって・・・



もちろん、患者さんを受け持ったからには患者さんに良くなってもらうため

ナースとして最大限の努力をするのだけれど、

かなりのご高齢なのにたくさんの機械に繋がれ意識のないまま延命治療中の患者さんや

臓器移植を何度も繰り返してる患者さんを見ると、

この人の体の本当の寿命っていつだったんだろう、と素直に疑問に思ってしまう。



臓器移植が良い・悪いとか、延命治療に賛成・反対だとか・・・

当然ながらそういったことがここでの論点ではなく、ただ単純に、

どこまで医療が進んでいき

どこまで運命の代わりに人が寿命を決められるようになるんだろう、

という疑問が生まれてくる。




アメリカでは臓器移植は全然稀ではなく、

ウチのICUにも臓器移植した患者さんがたくさん来る。



アメリカでは、アルコール性肝硬変、つまりはお酒飲み過ぎちゃった人にまで

新しい肝臓を移植して、セカンドチャンスを与える。



今の臓器がダメになっちゃったんで、じゃあ健康な臓器に替えましょうって。

亡くなった方の臓器が他の人の体の中でまた使われる。




臓器リサイクル



そんな言葉が私の脳裏にふと浮かんだ。





アメリカは日本と大分違ってリサイクルやエコに対してすごく無頓着だけど、

臓器のリサイクル率は結構すごい。




リサイクルされた臓器により、新しく輝かしい人生を歩む人もいる。

その反面、臓器移植後の予後が悪く、逆に病状が悪化する人もいる。




う~ん・・・。

ともなると、やっぱり寿命はまだまだ人が決められない聖域にあるのかな。。。




やっぱりよく分からない。。。




なので、ここでつぶやき終了~!!

明日も元気にこの患者さんのお世話出来るように、しっかり寝ま~す!




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今日は久し振りに、医療英語いってみたいと思います。

今回はちょっと震災にちなんだ言葉にします。



ご紹介するのは


Ventilate




発音:ヴェ ンティレイト




基本和訳:


① 換気をする

Ventilateを短くした Vent(ヴェント)は通気孔のことです。

例えば コンピュータなどの裏の熱を逃がす穴や、

換気扇の空気を入れ替えする窓など、あれらを Vent と呼びます。


ベント」は日本語でも浸透しつつありますね。

福島原発のニュースでもベントという言葉が頻出していますよね。



 
② (血液に)酸素を供給する、人工呼吸をする

医療英語としてはこの主にこの意味で使われます。

人工呼吸装置は英語で Ventilator(ヴェンティレイター)。

人によっては、Respirator(レスピレーター)とも言います。



 
③ (気持ちを)吐き出す、あらわにする

 この意味があったことを知らない人も多いかもしれませんが、

精神科・心療内科では頻出用語と言ってもよいでしょう。


"Ventilate your feelings"


悩んでる人や苦しんでる人に言ってあげると助けになるかもしれない言葉。


内に秘めた feelings(気持ち)や stress(ストレス)を人に伝えて

発散することによりスッキリして楽になる人もいますよね。


 


被災者が気持ちを Ventilate するのをいつでも温かく受け止めてあげること

それも、私達が出来る重要な支援の一つであると思います。





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最近プライベートのいろいろな団体活動や人付き合いがめっちゃくちゃ忙しく、

家には寝に帰って来れればいいって感じの生活。

クタクタです。。。



昨日なんか、ロサンゼルスからサンディエゴに友達を届けに行って、

片道 200km 強の距離をトンボ帰り!

サンディエゴ滞在時間たったの10分程度の本当のトンボ帰りでした。。。




疲れが溜まっているので、今日は簡単なネタにします。




最近いろいろな人に会って、何度となく私が口にした話。

それは、日本とアメリカの根本的なマインドの違い





日本では、


出る杭は打たれる


という諺があります。
(厳密には諺のカテゴリーなのか不確かですが・・・)

これはよく言われることだし、実際にそういう傾向がまだまだ強い社会ですよね。




この日本の諺、アメリカではどんな風に変化すると思いますか?




アメリカではなんと、


出ない杭は無視される


のです!



あ、アメリカにこんな諺無いですよ!

私が勝手に言っているだけですが、尤もなことだと思います。




日本は単一民族国家のためか分かりませんが、

「赤信号、皆で渡れば怖くない」って言い回しができてしまうほど

皆と同じことしてれば安心、という人も少なくないはず。



そんな中で、少し行動が目立つ人や、才能が目立つ人が現れると、

その人をたたき落とそうという力や人が現れることも稀ではありません。




それが、アメリカではどうでしょう。

目立つことが良いとされると言っても過言でないかなって思えるくらい、

多くのアメリカ人は目立つことが好きで、自分の意見を発言し通そうとします。

自分の存在自体を主張する傾向が強い文化です。



つまり、最初から杭が出てる人ばっかりなのです!



だから、日本の様に杭が出てないタイプの人(目立つのを避ける人)が

そんな中に入ると、その人は逆に無視されてしまうのです。



アメリカでは 『言った者勝ち』 な傾向が強く、

発言しない = 何も思っていない、何の主張も無い

と勘違いされることも多々あります。



以心伝心の感覚、言わなくても察するという環境で育ってきた日本人としては、

これは根本的に逆の感覚なので、きっと戸惑う方も多いですよね。




日本からアメリカに来る皆さん、来たばかりの皆さん!

どんどん杭を出しちゃってください!!

じゃないと泣き寝入りすることになるかも!




いいんです、どんどん自分の意見や考えを主張しちゃって。

言わなくて損するのはあなたです。

主張はアメリカサバイバルにおいて、かなりの重要アイテムです!!




例えば、アメリカは日本みたいにキチキチっとした国ではないので、

請求書が間違ってることだって珍しくありません。

間違ってたら迷わず「間違ってるんだけど!」と教えて直してもらってください。



もし、その間違いがあなたの勘違いだったとしても、

後で「あ、そうなの?だったら今の忘れて!」って堂々と構えていていいんです。




仕事でも、プライベートでも、嫌なことがあったり改善できる点を見つけたりしたら

どんどん発言しちゃっていいんです!

あなたが何か言う前に、多分周りのアメリカ人は既に何か言ってますから。




どんどん目立ったこともしちゃっていいんです!

周りのアメリカ人は、多分あなたよりもっと目立ってますから。





出る杭は打たれる

出ない杭は無視される


どちらが良いとか悪いとか、ここではそういう話をしているのではなく、

この違いが根底にあることを心に留めておくと役に立つ、という話です。




謙遜が美とされる日本の文化も良いけどアメリカではあまり通用しない。

かと言って、謙遜も全く無い自己主張の強いアメリカの文化も鬱陶しくなる時がある。




何でもバランスが大切なんだと思います。

「アメリカに来たら、どんどん主張しちゃってください!」とさっきから言っていますが、

考え方をアメリカ人かする、ということでは決してありません。




謙遜と主張

そのバランスの取れた、素敵で賢い日本人を目指してください☆


 

な~んて偉そうに言ってますが、

アメリカ来てからすっかり主張の方が育ってしまった私・・・

謙遜をもう少し育てられるよう、頑張らなきゃっ! (^^ゞ




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先日、仕事始まってすぐに患者さんにあげる薬を用意してたら、

いきなり呼吸療法士の人が私のところにわざわざやって来て大きな声で、



"Hey! I got you something!!!"

(ねぇ!君に渡す物があるんだけど!!!)



朝から騒々しく、一体何事?!



そしたら、その人に渡された Something が

これ。


宮里 藍 サイン



はい。 雑誌の切れ端・・・


ではなくて・・・



これ。

宮里 藍 サイン



KIA クラシックのトーナメントで近くのゴルフコースまで来ていた


宮里 藍 ちゃん の直筆サイン!!




この呼吸療法士のおじさんと私、会うたびにゴルフトークで盛り上がるのですが、

彼はKIAクラシックを観に行ったらしく、同じゴルフ馬鹿仲間の私のために

わざわざ藍ちゃんのサインをもらってきてくれたのです!



もちろんこの直筆サイン自体も嬉しいですが、

誰かが私を喜ばそうと考えていてくれた時間、それそのものが嬉しいです。



ロサンゼルス近郊ではPGALPGAのトーナメントが行われるのですが、

私も去年、Northern Trust Open を観に行って(ゴルフ観戦初体験)、

遼くんを間近で見てウキウキでした~ ♥

遼くんはアメリカ人からも人気が高すぎて、まったく手が届かなかったけど、

今田竜二選手のサインはなんとかゲット!



今田選手のサインと藍ちゃんのサイン、

ゴルフが上手くなれるよう、大切に飾りたいと思いま~す♫





ところでこの日、ウチのICUで25歳の女の子が誕生日を向かえました。



彼女はこの年にも拘らず癌と闘病中

気管切開され、呼吸器に繋がれて過ごす生活。



意識はしっかりして椅子に座れるくらいの元気はあるので、

部屋にはたくさんの人が訪れ、彼女の誕生日をお祝いしていました。




25歳といえば、宮里藍ちゃんと同い年



この日、私は受け持ちの患者さんの部屋でKIAクラシックをちらっと観てたのですが、

藍ちゃんもTVに映ってました。



片や賞金ランキング1位にもなったことあるほど大活躍の今をときめくプロゴルファー

片や機械に繋がれながら小さな病院の一室で誕生日を向かえる癌闘病患者



なんだか複雑な気持ちになりました。



藍ちゃんにとっても選手生命を懸けた1日1日は大切でしょうけど、

この患者さんにとっても1日1日がとっても貴重で尊いものなんですよね。



世界と癌、2人それぞれ闘う相手は違うけれど、

2人とも決して諦めず、毎日毎日一生懸命頑張って過ごしているんだと思います。



人生って本当にいろんな形があるんですね。。。



もちろん病気になりたくてなる訳じゃないけれど、

そんな人生の試練を受け止め、癌と闘うと決めたのは彼女。

看護師として精一杯、彼女の人生がより良いものとなるよう、応援したいです。



過去記事『すごい発見☆』で、病院で誕生日を迎えた女の子について書きましたが、

病院で誕生日を迎えている人が、実は世の中にはたくさんいるのです。

中には病院で1人で誕生日を迎え、更には誕生日であることすら知らない人もいます。



家やレストランで皆にお祝いされながらケーキを美味しく食べる。

これって、何気ない普通なことのようですが、

これができること自体、本当はとっても幸せなことなのです。



誕生日って、言ってしまえば単なる記念日に過ぎないのかもしれないけれど、

次の誕生日を迎えるのに、1日1日必至に生きようとしている人々。

そんな人達がいるということを忘れずに、私も1日1日を大切に過ごしたいと思います。




病院の小さな一室でのお誕生日だったけれど、

皆に囲まれながら恥ずかしそうに見せるこの女の子の、はにかんだ笑み・・・

とても楽しそうで、可愛らしくて、外からそっと見ていた私まで笑顔になっちゃいました!



お誕生日、おめでとう~☆☆☆




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ずっと前に受け持った日本人の患者さんが、お世話してくれたお礼にとくださった

患者さん手作りのマグカップ

が今日割れてしまってすっかりブルー入っているAngelです。。。



陶芸家である患者さんが作った小さくてお洒落なマグカップ。

湯のみサイズで丁度良いので、いつもこれでお茶を飲んでました。

これで飲むとなんだか美味しいんです。



担当のナースが日本人だから患者さんも嬉しかったようで、

せっかくいただいたのに、割ってしまってごめんね。。。




気を取り直して・・・

本題。



3月29日の asahi.coに掲載された2ページにわたる朝日新聞記事。



津波 最後まで患者を守ろうとして…南三陸の看護師ら




宮城県南三陸町で唯一の病院、公立志津川病院で

2人の看護師と1人の看護助手が、勤務中、津波でお亡くなりになったそうです。




その時の壮絶な生の声がこの記事に描写されていますが、

その時に看護師の1人が言った言葉。


「患者さんが不安にならないように目を離さないでね」


看護師さん達ご本人だってものすごく不安な気持ちでいっぱいだったでしょうに、

その気持ちを塞いでのこのプロらしい一言

その看護への情熱に涙が出ます。



ナースコールが鳴りやまない。廊下を点滴を持った看護師が行き来する。


病院全体パニックになってるのを想像すると、同業者としては本当にぞっとしてしまいます。



しかし、エレベーターは止まっていた。歩けない患者を引き上げるのは2、3人がかり。人手が足りない。階段ではパニック状態となった患者が、手すりを持ったまま階段をふさいでいた。力尽きてしゃがみ込む患者もいた。


火事場の馬鹿力とはよく言うけれど、こんな状況では

目の前にどんどん迫り来る恐怖に怯えてきっと足もすくんでしまうのでしょう。。。



窓からは患者の一人がベッドのマットレスに乗って流されていくのが見えた。


同じ病院の患者さんか分からないけれど、TVでも同じコメントをしている方がいて、

それを聞いたときは涙が出ました。

ベッドに乗ったままじっと目を開けた状態で波に流されていった患者さんがいたそうです。

患者さんご本人やそれを目撃した方々の気持ちを考えると、胸が痛みます。。。



5階まで引き上げることができた入院患者は109人中、42人。うち7人は翌日、自衛隊のヘリコプターが救出に来る前に、低体温状態となり息を引き取った。5階で死亡確認した桜田正寿医師(54)は言う。「ただただ地獄だった。地震から津波まで30分、できることはあまりに限られていた」


助かった人数が半分にも満たない。

しかも、スタッフや低体温症で後に亡くなった方々を含めると3分の1未満の生存率

この医師が仰るように、本当に壮絶な地獄絵巻だったのだと思います。



伊藤さんは「人の役に立つ仕事をしたい」と言って仙台市での仕事を辞め、南三陸町に戻ってきたという。


亡くなったスタッフの中で最年少だったのが、24歳看護助手のこの伊藤さん。

24歳という若さで、しっかりした医療への情熱を持っていたこの女の子。

まだ勤務してから5日目だったそうです。

夢を持って、人を助けるためにやって来た彼女。

きっと患者さんを守ろうと一生懸命だったのでしょう。。。





もしも私のいるICUが同じ状況に陥ったら・・・

思わずそれを想像せずにはいられなくなる、この記事。



ICUの患者さん達は機械に繋がれていないと生きていけない患者さんが多い。

歩くどころか、自分で寝返りさえうてない患者さんがほとんど。

呼吸器が止まったら最後の患者さんもたくさんいる。

点滴が少しでも止まったら危険な人だっているし、点滴のバッテリーも寿命があるし。



避難するのに30分しかない

という状況になったら、やっぱり過酷な選択を迫られるんだと思う。



もちろん患者さんを守るために必至に頑張るけれど、こういう状況になったら、

助かる確率の高い患者さんから選んで避難させていくのが現実となるんだと思う。



とても冷酷で残酷な発想だと、これを読んでいる人は思うかもしれないけれど、

より多くの人の命を救うために、プロとして決断する究極の選択なんだと思う。

全員助けたいのに、そんな究極な選択を迫られ、即座に判断しながらフル稼働する。



自分の命も危険な状況で、そんな究極の決断やフル稼働が私にはできるのだろうか。。。



呼吸器などに繋がれていて助けられない患者さんには何て声をかけたらいいの?



こんな状況での看護のありかたなんて、学校で習わないし、実際によく分からない。。。



災害時、正にその時に、ナースとして自分にどれだけの力が発揮できるのだろう。。。




そんなことを考えていると、気が遠くなる今日この頃です。。。




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プロフィール

名前
Angel
職業:
看護師 Registered Nurse
趣味:
ゴルフ ピアノ 食べ歩き
自己紹介:
1978年、早生まれ
埼玉県出身
カリフォルニア在住
アメリカ暦9年

日本の大学卒業後、医学研究職2年。

その後アメリカの大学へ留学。看護学部を卒業しBSN(Bachelor of Science in Nursing)取得を経て、RN(Registered Nurse)免許取得。

2004年夏より、カリフォルニアにある大学病院のICU(集中治療室)にて勤務中。
7年目のベテランナース(?)

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