ブログを始めて1ヶ月半経ちました~!
現場の話題が今まで多かったですが、そろそろアメリカナースの核心をついていきますね!
これからアメリカに留学・就職を目指している方にとって一番気になる話題はやっぱり
ビザ・アメリカ永住権取得
の問題ですよね。
「ナースだと簡単にグリーンカードが取れる!」
という話を聞いたことがある方も少なくないのではないでしょうか。
ところが、これは今となってはもはや、
過去の神話
に過ぎません。。。
神話崩壊には数々の理由があります。
① 永住権の看護師特別枠の廃止
確かに、ナースであれば簡単にグリーンカードが取れた時代がありました。
それは、深刻な看護師不足のため、永住権のナース専用枠があり、ナースは一時期かなり優先され1年未満でグリーンカードを取得できた頃があったからです。
しかし、2006年にそのナース枠が定員に達したとかで廃止されてしまいました。
となると、どうなるか・・・
それまでナース枠で申請中だったナースも他の職業の人と同じ一般枠に流れ、
新規の申請者も一般枠として応募ということに。
と、いうことは・・・?
普通の職業の人達と同じように、4、5年以上掛かる訳です。
じゃあ、その4、5年の待つ間、それを見据えて病院がスポンサーを続けてくれるか・・・
というと、それも厳しい状況です。
その厳しさに大きく貢献している要素が・・・
② 不況の影響
2006年のナース枠廃止後更にグリーンカード希望者に追い打ちを掛けたのがこの
不況。
よく、
「病院は不況でも影響受けないからいいよねぇ」と言う人がいますが、
確かに不況であれ何であれ、病人は絶えないので、ある意味そうなのかもしれません。
でも、やはり
病院にも少なからず不況の影は落ちるものです。
では、どこで一番経費削減できるか・・・
ビザやグリーンカードのスポンサーをやめる
これはかなり大きな経費削減になります。
グリーンカード申請に必要な弁護士費用は少なくても5000ドルと言われ、多いときには
10000ドル以上かかる、とも言われています。
この不況の真っ只中で、病院側もこんな大金を一人一人に費やしていられないのです。
ビザサポートでさえも全く同様です。
そもそもビザサポート不要なアメリカ人を雇えばそれで簡単に解決する話なのですから、
わざわざ病院も余計な出費をすることはないのです。
この不況で、グリーンカードはもとより、ビザさえもサポートしてくれない病院が今ではほとんどです。
更に更に・・・
外国人看護師を苦しい状況に追い込む、もう1つの大きな変化。
それは、
③ オバマ氏の就任・政策
これもグリーンカード獲得難に更に拍車をかけました。
というのは、オバマ氏が
「看護師を輸入に頼るのはやめる」
みたいなことを言ったのです。
他の国から
看護師を輸入することで、その国の看護師不足を悪化させたくない、
という建前もあるようですが、もちろん
移民制限と自国アメリカの
雇用率アップが目的。
まずは自分達アメリカ人から面倒をみていこうというのは当たり前と言えば当たり前ですが、
外国人ナースにとっては、滞在すら非常に厳しい状況が作り出される結果となりました。
これは言うまでもなく他の職業も同様で、ナースだけの話ではありません。
これによって
グリーンカードやビザをサポートしようという病院が激減しただけでなく、
既に申請中で認可待ちの人達を含め、
ビザの審査基準までもが厳しくなり、
どんどん外国人のアメリカ滞在に対するハードルが高くなっているのが現実です。
そもそも、グリーンカード申請の際には、
なぜアメリカ人をおいてまでも外国人を雇わなくちゃいけないのか、
という理由付けも、移民局が行う審査基準として重視されているのです。
しかも、この不況のせいか、
移民を制限しようとしてるオバマ政策のせいか分かりませんが、
移民局も人員削減をしているそうで、審査過程に途方もなく
時間がかかっている様です。
という訳で、上記の3つの理由により、現在外国人ナースの
就活状況は氷河期と言っても過言ではありません。
一応私のケースを参考までにご説明しておきますね。
私のアメリカ滞在は大学留学から始まっているので最初は
学生ビザで来ました。
看護学部を卒業すると同時に、1年間だけ労働許可が与えられる
Optional Practical Training (OPT) というインターンシップ制度を利用して働き始めました。
このOPTというのは、留学生が卒業後1年間だけ労働ビザなどがなくても働く経験ができるという制度で、アメリカに滞在希望の留学生は、この1年間の内に
ビザスポンサーを探し、
ビザの申請をしなくてはなりません。
私の場合は、今でも働いている大学病院が、2004年に私のことをOPTで雇用すると同時にグリーンカードの申請手続きをすぐさま始めてくれたので、ラッキーなケースでした。
他の病院では、グリーンカードではなく就労ビザしか最初は出してくれないという所も多かったようです。
ここまでは良かったのですが、ナース枠廃止の影響も受けたり、申請手続中に
申請フォームがガラリと変わったり、健康診断の際に
医師が記入漏れしたりと・・・なんだかんだありました。
その間
毎年労働許可証を更新しなくてはならなかったり、日本に一時帰国するための
海外出国許可証を毎年申請したりとかいろいろ面倒で、待ってる期間中も実は結構大変なんです。
結局、移民局に全部の書類が揃ってから
4年弱かかったものの、晴れて2009年に
グリーンカード取得に至りました。。。
私の場合はそれでも、オバマ氏の就任から数ヶ月以内にグリーンカードが送られて来たので、まだセーフだったのかなぁ。。。
ちなみに、私の2週間前に書類提出終わったケニア人の同僚は、なんと3ヶ月程度でグリーンカード来てました!
かれこれ5年前の2005年の話ですが。。。
最近は、看護師ではありませんが、ビザやグリーンカードを申請したのに審査で却下され、敢なく日本に帰ってしまった人達が、私の知人にも何人もいるのが現状です。
これからアメリカで働こうと頑張ってらっしゃる皆様にはなんとも心無いご報告になってしまいましたが、残念ながら今のところ、ビザ取得はご
想像以上に厳しい現実に直面しています。
今後、日本人にとって良い風向きに変わってくれるといいですね。
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